こんにちは、ヒトノヨメです。
今回は、夏休みスペシャル第2弾。
「極限環境の生きもののおはなし」
というテーマでお話しようと思います。 (。ᵕᴗᵕ。)
世の中には、私たちの想像を絶するような場所に棲む生きものがいます。
それが、極限環境微生物です。(p`・ω・´q)
前回少しだけ話題に上げた極限環境微生物について、今日はお話していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。(*ˊ꒳ˋ*)੭♡
極限環境微生物とは
地球のおおよそ平均的な環境からかけ離れた場所で生きている微生物。
それが極限環境微生物です。
熱水が噴き出すような場所や、塩分濃度の高い場所、極寒の地、
酸やアルカリの強い場所にも微生物は棲んでいます。
例えば、どのくらい過酷な環境で生きられるのでしょうか。
熱いところが好きな細菌は、
122℃でも増えることができるものがいます。
塩分濃度が高いところが好きな細菌は、
塩分濃度30%でも増えます。
(海水が約3.5%、味噌・醤油が10~15%、死海が30%)
寒いところが好きな細菌は、
-12℃程度でも増えるものがいます。
酸が好きな菌は、pH0でも増えますし、
(お酢やレモン汁は約pH3、胃酸は約pH1)
アルカリが好きな菌はpH12程度でも増えるものがいます。
(石けんは約pH9~11、カビ取り剤は約pH12~13)
びっくりするほど過酷ですよね!Σ(・ω・ノ)ノ
とても人間が生きられる環境ではありません!
過酷な環境を好んだり、耐えたりして生きる細菌はたくさんいるのです。
実はそんなびっくり細菌たちは、私たちの生活に役立っています。
今日はそんなお役立ちびっくり細菌を紹介したいと思います。( *>ω<*)/
①好熱菌
熱いところが好きな細菌を、好熱菌と言います。
実はこの好熱菌は、我々生きものの祖先であるとも考えられています。
最初に誕生した生きものは、
海底から噴き出す熱水のあたりでうまれたのではないかと言われています。
そのため熱に強い好熱菌が、
私たち生きものの始まりだったのではないかと考えられているのです。
最初は人間も細菌だったなんて言われると、なんだか不思議ですよね。(。ᵕᴗᵕ。)
そんな好熱菌。
いろんな場所で活躍していますが、現在特に活躍しているのが医療現場。
近年よく聞くようになった、PCR検査でこの好熱菌が応用されています。
PCRは、DNAを増幅する技術です。(*'ω'*)
ざっくり説明すると、PCR検査は、
検体から取ったほんの少しのDNAを検査しやすいように増やすことで、
目的のDNAに当てはまるのか当てはまらないのかを判断する検査です。
ウイルスについて調べたい場合は、
ウイルスの持っているRNAをDNAに変換してから、PCRを行っていきます。
DNAは、熱を加えたり冷ましたりを繰り返して増やしていきます。
DNAを増やすためには酵素(化学反応を手助けをする物質)が必要です。
しかしこの酵素が熱に強くない場合、
熱を加えた際に酵素が働かなくなってしまうので、
毎回酵素を入れなおす必要があります。
その場合、PCR検査には手間と時間がかかり、精度も落ちてしまうのです。
しかし、ここで活躍しているのが好熱菌の酵素!
熱に強い酵素を使うことによって、その手間を解消することができました。
従来より作業は簡素化し、精度もとっても良くなった!
PCR法が開発された当初は半日程度かかっていた作業も、現在では2時間程度で行えるように。\( *´꒳`*)/
好熱菌が発見されてなかったら、今の世の中もっと大変なことになっていたかもしれませんね。Σ(・ω・ノ)ノ
この画期的な方法が開発されたのも、1980年代後半のこと。
そんなに昔の話ではないのです。
開発されててよかった~!\( *´꒳`*)/
②好アルカリ菌
アルカリの環境を好む細菌の事を好アルカリ菌といいます。
好アルカリ菌は、藍染めなどの現場で古くから使われてきました。
そんな好アルカリ菌は、近年洗剤にも応用されています。(p`・ω・´q)
食器用洗剤や洗濯洗剤の中でも、
酵素入り洗剤というものを目にしたことがありますか?
汚れが落ちやすいアルカリ性の洗濯洗剤には、そのアルカリ性の洗剤の中でも働く酵素が使われているのです。
近年にかけて、汚れが格段に落ちやすくなってきたのもそのおかげ。
私たちの生活にかなり役立ってますね!୧(๑•̀⌄•́๑)૭
他にも、塩濃度が高いところでも生きられる好塩菌は、味噌や醤油などを作るために活躍していますし、寒いところが好きな好冷菌は、牛乳に含まれる乳糖(牛乳を飲んでお腹が痛くなる原因)を分解するのに酵素が使われています。
実はたくさん役に立っている極限環境微生物ですが、
この微生物が盛んに研究されるようになったのは1980年代後半から。
割と歴史は浅いのです。
その時の発見があって研究が盛んにされてきたからこそ、
私たちの生活がより豊かになりました。(*´ω`*)
また極限環境微生物が存在することの面白さは、
極限環境微生物がいるならば、
地球以外のどこかにも、宇宙に生きものがいるかもしれないということ。Σ(・ω・ノ)ノ
生きものが生活するのに絶対必要だとされているのは水です。
生きものの身体は、その70~90%が水でできているからです。
つまり、水があれば生きもののいる可能性もあるということ!٩( *˙0˙*)۶
酸素を必要としない生きものもいれば、極限環境微生物のように過酷な環境でも生きられる生きものもいます。
たとえそこが地球のように豊かな環境ではなくても、水があれば地球以外の惑星に生きものがいる可能性があるのです。
たまに水のある惑星が新たに見つかった!とニュースになるのはそのため。
マイナーですが、生きものは火星で誕生したあと、地球にたどりついて多様化したのではないかという説もあります。
もしかしたら、地球以外で生きものが見つかる日もそう遠くはないのかも?
夢が広がりますね!\( *´꒳`*)/
いかがでしたでしょうか?
身近なところで役に立っている極限環境微生物ですが、初めて知った方も少なくはないと思います。(。ᵕᴗᵕ。)
興味があれば、調べてみても面白いと思います!(〇´꒳`)ノ
個人的に極限環境微生物を学ぶのにおすすめな本は、
知りたいサイエンスシリーズの
大島泰朗先生著書『極限環境の生き物たちーなぜそこに棲んでいるのかー』
です。\( *´꒳`*)/♡
身近なところで活躍している細菌のこと全般ならば、
こちらも知りたいサイエンスシリーズの
中西貴之先生著書『人を助けるへんな細菌すごい細菌 ここまで進んだ細菌利用』
がおすすめです。(*ˊ꒳ˋ*)੭♡
自由研究のテーマとして極限環境微生物を使うならば、
- 極限環境微生物について
- 宇宙に生きものがいる可能性
- 身近に活躍する細菌
などが考えられるかなぁと思います。(p`・ω・´q)
実験しなくても、調べるだけで立派な自由研究!
ぜひこの機会に、身近な細菌について知ってもらえればと思います!
お力になれたら幸いです。お気軽にコメントもくださいね。( ´꒳`*)人(*´꒳` )
また次回の更新でお会いしましょう!
それでは~♪